横綱白鵬の引退に思う。相撲を愛し、孤独と戦った14年

2021年9月30日、第69代横綱の白鵬が正式に引退しました。数々の記録を塗り替え、長きに渡り相撲界を支えてくれた大横綱ですが、その間には様々な想いがあったようです。そのドキュメンタリーをみて、また、これまでの相撲中継を見て感じたことをお伝えします。

目次

横綱 白鵬 “孤独”の14年

※「青空太郎」さんがあアップしてくれた動画ですが、所々音声が途切れています。予めご了承ください。

横綱白鵬の引退に思うこと

まず、結論からお伝えすると、私自身は、白鵬関は立派な大横綱だと思います。

外国の地からはるばる日本に来て、14年間横綱の地位を守り続け、歴代1位となる記録を数多く樹立し、度重なる相撲界の不祥事の最中でも矢面に立って相撲界を支えてきたことは、まぎれもない偉業であり、事実だからです。

そして、相撲が、日本が本当に大好きで、心から相撲を愛している、ということも感じます。それは、日本人の奥様と結婚し、日本に帰化していることからも分かると思います。

といっても、多くの日本人にとって、それだけで「本当に日本を愛しているの?」と思うのではないでしょうか。

日本に帰化するということ

あなたは日本国籍を取得することについて、こう思いませんか?

「日本の国籍のほうが、ビザ免除の国も多いし、多くの国へのビザ取得もとりやすいし、いろいろメリットがあるから帰化したんでしょ?単純にそっちのほうが有利だからでしょ?」と。

もちろん、有利な点があることは事実かと思います。しかし、白鵬がモンゴル国籍を捨て、日本国籍をとった、ということは想像以上の大事件となっています。

モンゴルでも日本の相撲は大人気です。モンゴル人力士が活躍しているので、当然ですよね。もちろん白鵬関も大人気です。

しかし、白鵬関が日本に帰化したと報道されてたとき、モンゴルでは白鵬関へのバッシングが恐ろしいレベルで起きました。テレビのメディアで、Facebookで、新聞で、雑誌で、とにかくありとあらゆるところで白鵬関への非難、中傷が湧き上がっていたそうです。さらに、本人へのバッシングに留まらず、白鵬関の実家にもその批判や攻撃は行われたそうです。「売国奴、面汚し」等々、かなりひどい言われ方もされたようでした。

日本に帰化するということは、このような母国からの手のひら返し、誹謗中傷を覚悟しなければならない、ということなのです。

白鵬関は母国を見限ったのでしょうか?そんなわけはありません。少年の相撲大会である白鵬杯には毎年モンゴルの子どもたちを招待していますし、日本に来ている留学生や、働いているモンゴル人のイベントや集会などにも積極的に顔を出しては応援もしています。

にもかかわらず、白鵬関は帰化することを選びました。バッシングされることを覚悟の上で。下手したら母国の地を踏めなくなるかもしれない。というと大げさかもしれませんが、そのくらいの覚悟で日本を選択したはずだと思います。

それほどまでに、白鵬関は日本を愛し、相撲を愛している、ということを、私は改めて感じてほしいと思います。

島国、日本の課題

朝青龍関以降、稀勢の里関を除いて日本出身の横綱が出てきていないため、仕方ない部分はありますが、モンゴル力士への風当たりが強いと感じざるを得ません。

もちろん、相撲がただのスポーツや競技ではなく、神事である、という点から何が何でも勝ちにいく姿勢に対して、一定の批判は受け入れる必要があると思います。とはいえ、露骨にすぎる日本贔屓は問題があると思っています。

残念ながら、今の日本には外国人に対する差別意識はまだまだ根強く存在しています。ネット上で時々みかけるヘイトスピーチはもちろんとして、身の回りでもモンゴル人というだけで距離を置かれたり、下に見られると感じることは、時々あったりします。

このブログの読者には、「いや、そんなことない!私はどんな人とも別け隔てなく接してるよ!」という人もいるかと思います。どちらかというと、差別などしていない人のほうが多いでしょう。

ですが、差別というものは、まだまだあるところにはあるのが実情なんです。

なので、まずは知ってほしいと思っています。私達の心のなかには、まだ差別的な意識があるんだよ、ということを。知って、気づいてさえいれば、「ごめん、ちょっと差別してたかも。知らないうちに傷つけてたらごめんね。なるべく早く治すようにするからさ。」と謝れるからです。そして治せるからです。

まとめ

白鵬引退の話から差別まで、だいぶ話が大きくなってしまいましたが、国をまたいだ交流をする中で、ぶつかる壁の一つだと思っています。少しづつ、たくさんの人がぶつかる中で崩していき、よりよい関係を築いてきました。私もその一助となれるよう、モンゴル語を学び、モンゴルについて発信しつづけたいと思います。