モンゴルで大規模デモ!若者を中心にインフレ対策を政府に要求

モンゴルのデモ インフレ

日本・モンゴル国際家庭のShomonzです。

2022年4月6日、モンゴルのウランバートルにおける中心地、スフバートル広場で大規模デモが行われました。

政府のインフレやコロナなどの対策等への不満から、多くの人が集まり抗議活動を展開。

警察との衝突も起こり、20人近くが拘束されたようです。

ちょっと不安になるようなニュースですが、
このデモによる影響や、背景などについて考えてみたいと思います。

デモの背景

結論、極端なインフレによる国民への負担が大きくなったことが、政府への不満を高めた結果です。

まず、コロナ禍により中国からの輸入が激減しました。

これはコロナの水際対策で、中国からの人・モノの出入りを制限したことによります。

2020年、2021年と予想以上にコロナが長引いた結果、建材や工業製品などがまず値上がりし、
食料品や日常生活に必要な雑貨などあらゆるものが値上がりしました。

そこに、2022年2月24日からのロシアによるウクライナ侵攻により、
ルーブルの暴落、石油価格の高騰が重なったことで、
モンゴルのインフレは更に高まってしまいました。

先日あげた記事、
モンゴルの生活情報 食べ物の物価2022.3 モンゴルでのインフレについてでも述べましたが、

2021年から2022年の1年間で、
肉類は13〜26%、野菜類は18〜94%の価格上昇が見られます。

これは苦しいですよね。

この値上がりに対し給料はほとんど上がっていないため、
若者を中心に労働者の家計は圧迫され、

この状況に対し、政府の対策が十分でないと不満が高まったようです。

デモの影響

今回のデモでは、警察が出動しデモ隊と衝突。

20人近くが拘束されたようです。

この様子はFacebookなどのSNSで拡散され、世界中のモンゴル人、ないし
モンゴルと関わりのある人々に広く知られることになりました。

結果として、オユンエルデネ首相は中央広場で、抗議者らと面会し、
質疑応答を行った上で臨時閣議を開いて下記の項目を抗議者に約束したとのことです。

  1. 拘束者を開放すること
  2. 抗議活動の参加者にいかなる罪を与えないこと
  3. 抗議活動の参加者及び代表者を含む作業部会を設置すること
  4. 本日の抗議活動からの提案について閣議を開く。抗議活動の代表者らを参加させること
  5. 一貫して腐敗・汚職と闘う。出来る事と出来ない事を直接報告すること
  6. 腐敗・汚職に関する刑事罪について法案を来週の水曜日(4月13日)に国会に提出すること
  7. 国会議員の資産と収入申告を汚職対策局が取り調べるための法案を来週の水曜日(4月13日)に国会に提出すること
  8. 私自身は、30年間の腐敗と汚職の連鎖を断ち切るために一生戦う
  9. インフレ抑制、物価を一定の水準に保つための金融対策に向けての法案を国会に提出した。同法案の策定後に、実施に取り組むこと

まとめ

モンゴルのインフレはなかなかに深刻な状況ですが、
国民の声をある程度聞いてくれそうではあるので
今後のモンゴル政府の対応に期待したいですね。