モンゴル人と白い食べ物 その1
乳製品 = 白い食べ物(Цагаан идээ)
モンゴル人にとって乳製品は無くてはならない重要な栄養源であり、保存食であり、毎日食する食材でもあります。
彼らは乳製品を「Цагаан идээ(ツァガーン イデー:白い食べ物」と呼んで大切にしています。このидээという言葉はただの食べ物ではなく、日本でのお供え物に近い意味合いの言葉であり、それだけ乳製品は大切に思われているということだと思います。
乳製品の種類
モンゴルの乳製品は細かく分けるとたくさん種類がありますが、大まかに分類すると
- ウルム
- ビャスラク
- エーズギー
- アロール
- タラグ
の5つに別れます。
ウルム(Өрөм)
絞った乳を加熱した後、もしくは加熱中に泡立つほど混ぜた後、一晩放置すると乳脂肪分が集まって膜を貼ります。これがウルムです。朝食に食べたり、バターの原料にしたりするそうです。味は甘く上等なクリームに近いです。
ビャスラク(Бяслаг)
ウルムをとったあとの脱脂乳に発酵乳を加えて軽く発酵させたあと、乳清を取り除いたもので、カッテージチーズのような乳製品です。
エーズギー(Ээзгий)
ビャスラクと同じように脱脂乳に発酵乳を加えて、弱火で煮詰めた後、天日干ししたもので、オレンジ色のチーズです。
アロール(Ааруул)
ビャスラクやエーズギーよりも更に発酵を促進させた後、乳清を取り除き、固形分を乾燥させたもの。最初の画像にある下の大きな塊の乳製品がそれです。非常に栄養価が高く、草を食べさせに行く子供に塊を一つ与えれば、それだけで一日過ごせるほどだそうです。食べ方は様々で、歯でガリガリと削る、石で細かく割って飴のようになめながら食べる、お茶や水につけて柔らかくさせてから食べる、おろし金で削ってスープやサラダに混ぜるなど。
タラグ(Тараг)
脱脂乳から作られるいわゆるヨーグルトです。モンゴルでは下痢に効くと言われていて、離乳食にも食べさせたり、夏寝る前に子供に飲ませたりするようです。