モンゴル旅行は予定通りにいかない!?成功するための準備ポイント

モンゴル旅行は予定通りにいかない!?成功するための準備ポイント

モンゴル旅行では、自然環境だけでなく、モンゴル人の柔軟でおおらかな精神も旅の予定を大きく左右します。広大な草原で培われた彼らの「時間に縛られない」考え方が、計画通りにいかない旅を新たな冒険へと変えるのです。そんなモンゴルならではの旅の魅力と、対応するための心構えを紹介します。

モンゴル旅行の実例:予定が大きく狂ってしまった体験

私は先日、モンゴルのホウド県に旅行に行きました。そこで起きたことをまずはご紹介しましょう。

待ち合わせたけど人がいない

1日600kmほど走った後、2日目にホウド県に到着しました。その晩泊まる予定のキャンプ場に案内してくれるという知人がいたのですが、彼はホウドにいませんでした。少し用事ができたと言い、200kmほど離れた町に出かけていて、今帰ってくる途中だとのこと。仕方がないので、キャンプ場までの道を聞いて自分たちで向かうことにしました。

「2時間くらい」と聞いて車を走らせましたが、道らしい道は次第になくなり、10時間経ってもキャンプ場は見つかりません。すっかり暗くなってしまったので、途中でテントを張り、そのまま一泊することになりました。

用意されてるはずのものがない

キャンプ場から馬に乗って山に登る計画だったため、前日に乗馬の練習をする予定でした。6頭の馬が用意されているはずでしたが、実際にはその日、2頭しかおらず、一番練習が必要だった私だけが馬に乗って練習をしました。

宿泊先を急遽変更

旅の後半、一緒に参加していた赤ちゃんが体調を崩してしまいました。本来はテントで一泊する予定でしたが、しっかり休ませたほうが良いとの判断で、通り道にあったホウドの中心街のホテルに片っ端から連絡し、急遽ホテルで一泊することになりました。

なぜモンゴル旅行では予定が変わりやすいのか?その理由と背景

まずは結論から。モンゴル人は計画どおりに事が進むとは、そもそも考えていないからです。どういうことか、見ていきましょう。

時間感覚の違い

モンゴルの地方では、時間を厳密に約束することが逆に失礼にあたるそうです。時間の概念は「午前」「午後」「夜」の3つで、「午前中には着くよ〜」とか「夜になる前にはやっておくよ」といった感覚で生活しています。

彼らは広大な草原で生活しているため、距離の感覚も全く違います。「ちょっと買い物に行ってたよ」という「ちょっと」は、100kmや200kmにもなるのです。日本なら県をまたぐ距離ですよね。

さらに、生活圏の距離に加え、道路状況も大きく影響します。舗装されたアスファルト道路は主要街道の数本だけで、砂利道が敷かれていれば良いほう。草原を何度も車が通ってできた轍が「道」として認識されている場所も多いのです。

こうした環境では、時間を正確に見積もることが難しいため、モンゴル人は時間を大まかに決め、その範囲で物事を進められるよう柔軟な対応力を身につけているのです。

臨機応変な対応こそ大事

モンゴルの遊牧民は、朝から羊や牛を放牧に出しますが、どのあたりで草を食べさせるかは日によって異なります。時には家畜が何匹かはぐれてしまうこともあります。そのたびに、「どこで食べさせるか」「どこを探しに行くべきか」といった判断を迫られるのです。

また、モンゴルでは風が強く吹く日が多く、予想以上に風が強まり、ゲルの布が飛ばされたり、土地を区切っていた柵が壊れたりすることもあります。こういったトラブルに対処することもしばしばです。

先ほど、道路事情について触れましたが、草原の道を走る際も十分に注意して運転する必要があります。土がぬかるんでいたり、大きな凹みがあったりする場所も多く、油断するとすぐにタイヤがパンクしてしまいます。実際に、夏休みに地方を訪れた多くの人がパンクを経験し、その場で修理をしたことがあるそうです。

このように、長い遊牧生活の経験から、遊牧民は厳しい自然の中では何が起こるかわからないため、計画を立てることよりも、目の前で起きていることにどう対処するかを重視しているようです。

モンゴル旅行を心から楽しむための心構えと準備方法

上記の理由から、モンゴルに行くと計画通りにいかない、あるいは話が違う!ということが起こり得ます。日本人からするとイライラすること間違いなしですが、それではせっかくの旅がもったいないですよね。

そこでモンゴル旅行を楽しむための心構えや準備について考えていきましょう。

スケジュールは立てるけど、いつでも変わると覚悟する

出発前にいろんなスケジュールを組むと思いますが、現地に行ったら何が起こるかわかりません。どんなに打ち合わせや連絡をしっかりやっていても、ひっくり返ることはあります。変更があるかもという前提で心を準備しておきましょう。

心は準備できるけど、実際に起きたら困る変更もあるでしょ!という意見もあると思いますので、そちらの対処についてもお伝えしましょう。

  • 予約した宿泊先とは別に、複数のホテルや宿の連絡先を控えておく
  • 見に行きたい場所を予備で複数ピックアップしておく
  • 旅行の予算には予備費を含めておく

例えばこれらのようになにかトラブルにあっても対応できるように、あらかじめ予想して備えておくといいですね。

何かあったら自分で考え、新たに計画を練り直す心構えを

突発的な変更やトラブルは起こり得るものです。その場で適切な対処を考えたり、新しい計画を立てる必要があると考えておきましょう。

決まった通りに進まないということは、逆に言えば柔軟に対応できるということでもあります。Aがダメなら、Bではどうか?と提案すると、意外にうまくいくことが多いのです。新しい提案が旅行をより良いものにすることも多いので、その心構えで臨みましょう。

冒険を楽しむ

なぜモンゴルに行くのですか?非日常を味わうために旅行するのではないでしょうか?

それならば、何が起こるかわからないモンゴルでの旅を「冒険」と捉えて、この機会に楽しんでしまいましょう!

日本では体験できない波乱万丈な旅になるかもしれません。大変なこともあると思いますが、あとから振り返れば「楽しかったね」と笑い合えるような旅にするつもりで、モンゴル旅行を楽しみましょう。