モンゴル人と整理整頓

モンゴル人と整理整頓

モンゴル人と整理整頓

モンゴルの人と付き合っていると感じることの一つが、整理整頓や掃除といったものがよくできるということです。もちろん人にもよるのでしょうが、平均的にちゃんと整理して生活していると感じることが多いです。

目次

よく整理されたモンゴル人の家

日本に住んでいるモンゴル人のお家に遊びにいくと、ごちゃごちゃしていると感じる家がありません。結構築年数のたった家に住んでいる人もいましたが、たいてい良く整理されている家ばかりでした。日本人の友達の家に遊びに行くと、もちろんお客が来るということで掃除をしてきれいにしていると思われますが、それでも全体的な荷物が多くてごちゃごちゃしている家はそれなりにありました。特に2世帯住宅というか、祖父母を含めて同居しているお宅などはかなりの荷物が家にあって、整理が大変そうでした。

モンゴルのウランバートルでも何人かの家を訪問したことがあるのですが、押入れというものがないにもかかわらず、家の中の整理ができていると感じるのです。ある程度面積が広く大きい家の場合はもちろん収納スペースもあるので当然ですが、日本の賃貸住宅と然程変わらないような広さの家でも、例えば5人家族の場合を考えると明らかに日本の家よりも整理できていると感じます。

整理整頓された家

決してものを溜め込まないモンゴル人

整理整頓のこの違いはどこにあるのかと思っていましたが、つい先日、いらないものを処分するといってバザーに物を持ってきてくれたモンゴル人から話を聞けました。年末でもないのにそこそこの数を持ってきてくれたので、気になって聞いてみたのですが、彼女曰く、使わないものは基本的にすぐ処分する、例えば1年間置いていて一回も使わないのであれば間違いなく処分するとのことです。子供のおもちゃも遊ばなくなったと感じたら1度は子供に捨ててもいいか確認をとり、その後結局遊ぶ気配がないようなら遠慮なく捨ててしまいます。服とかも、まだ全然着られて、バザーに出すのは早いのでは?と思うような服も結構ありました。

このような話から、もうお分かりだと思います。モンゴル人の家の整理整頓ができている理由は、ものを溜め込んでいないからだったのです。ゴミ屋敷となると大げさですが、整理整頓できない理由の多くは物を捨てられないからですよね。モンゴル人の友人・知人たちは日本人の私からみて、え?これも捨てるの?といったものも躊躇なく捨てたり、もしくは人にあげたりしています。

なぜすぐ捨てるのか?

日本人の私からすれば、捨て過ぎでは?ちょっともったいない気も…。と感じることもあるのですが、彼らはなぜ、すぐに捨てることができるのでしょうか?

それは、遊牧民としての遺伝子がそうさせているのではないか、と私は思っています。

ゲルと呼ばれる移動式家屋に住み、季節ごとに家畜の餌となる草を求めて移動を繰り返している遊牧民ですので、年に3〜4回はお引越しをしています。そうなると荷物を減らすため必要最低限のものしか持ち歩かなくなると思います。家においてあるものも、食料も余剰を多くしすぎると運べなくなるため、自然とバランスを取るようになります。

そのような生活をモンゴル人は何千年も前から続けてきている訳で、ウランバートルのような都市に定住するようになったのもここ200年に満たない程度でしかないのです。となれば、連綿と受け継がれてきた生活スタイルは定住するようになっても残っていておかしくないと思われます。

必要なもの以外はなるべく持たない。そのような考え方が今に至るまで無意識的にできているのがモンゴル人なのではないかと思います。

まとめ

必要なもの以外は持たず、整理整頓が上手なモンゴル人。日本でも「断捨離」という言葉が出てきてから大分経っていますが、できてる日本人はまだまだ少ないのではないでしょうか。断舎離したい日本人の方は、どこか近くにいるモンゴル人と友だちになってみてください。自然と見習うことができますよ?