モンゴル人と服装
モンゴル人の服装といえば、多くの人はまず、「デール」を思い浮かべるのではないでしょうか。テレビや雑誌などでモンゴルを紹介すると必ずといっていいほどデールを着た方が紹介されているので、イメージに残ってるのではと思います。
デール
モンゴルの伝統的な民族衣装です。男性は渋めの色が好まれ、主に茶色や灰色系統のデールを着用します。女性は青、赤、緑で鮮やかな色彩、時には光沢のある生地で作られたものを好みます。また、男性はデールの上に大きめの帯をしめ、女性は細めの帯を締めます。
夏用のデールは裏地に薄い布を用いますが、冬用は羊の毛皮を裏地に縫い付けたものを着用します。冬はマイナス30度、40度にも下がるため、それに耐えるために冬用のデールには一般的なもので羊5〜7匹分の毛皮を、完全防寒といった高機能のものでは約30匹分の毛皮を使用して作るそうです。
ウランバートルでは普段着にデールを着ることはほとんどなくなり、2019年現在では洋服を着ている人が大半です。また、地方においても普段着は洋服を着る人が増えています。
もともとデールには普段着用と晴れ着用があり、今では冠婚葬祭やナーダムなど特別な時に晴れ着としてデールを着用しています。
デールの作り
先程、夏用と冬用のデールについて簡単にお話しましたが、春秋用には表地と裏地の間に綿をはさんだものを作ったりもします。冬用はウランバートルなどで着られているものは胴体部分には羊の毛皮を使っていますが、袖の方には使わなかったりするそうです。寒い地域に行く時や、そもそも寒い地方に住んでいる人は、袖や裾の部分まできっちりと羊の毛皮を裏地に縫い付け、防寒対策をバッチリ行っています。
デールの作りやデザインは地方や部族によって様々で、一説によるとデールは400種類にも分かれるそうです。その地方や部族の生活や風習に合わせて作られてきたからだと思われます。